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内田康夫FAN

73 日蓮伝説殺人事件

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浅見光彦 浅見雪江 浅見陽一郎 浅見和子 浅見雅人 浅見智美 稲田佐和 伊藤木綿子 伊藤信博 岩村幹夫 秋元 井上英治 内田康夫 石部 大島 荒井保 兼子義勝 小島 笠森政三 小村信男 塩野満 白木美奈子 島崎素子 豊原行三 野口俊夫 中井 永原 樋口実加代 藤田 原田 橋本 宮岡隆一 松江 本沢千恵子 結城考男 依田由夫 吉田須美子 結城恭子 結城綾乃 
山梨県甲府市  山梨県西八代郡  山梨県南巨摩郡  千葉県安房郡 
ルポライターの浅見光彦は、旅行雑誌から日蓮聖人をテーマにした「伝説の旅」のルポを依頼された。早速日蓮宗の総本山がある山梨に出かけた浅見は、謎めいた宝石デザイナー殺害事件に巻き込まれる。そして事件の背後から、日蓮聖人誕生の秘話が浮かび上がってきた。真相を追って聖人ゆかりの地を訪れる浅見に正体不明の人間たちがつきまとい、さらに新たな殺人事件が発生する…。 (上記より引用)
 井上は(若いな - )という顔をした。その皮肉な顔に、浅見は保守王国といわれる甲州の体質を見たような気がした。
日蓮伝説殺人事件 実業之日本社より引用
【FAN データ】平均的評価=☆☆☆☆(最高=5)
[感想より]

宇野功芳さん

冒頭からぐいぐいと作品に引き込まれた。
自分と非常に縁のある山梨が舞台になっているかもしれぬ。甲州人の閉鎖性とかずばりそのものだし、どの登場人物も魅力的である。特にヒロインと新聞記者。ヒロインの魅力には抗し難い。解決の仕方も私は嫌いではない。テンポもよく、途中で飽きることもない。オススメといえよう。ただ、唯一納得していないのは、ほうとうのくだりであろう。私はほうとうを月1,2回常食しているが、ほうとうが美味しくないなんてとんでもない。私はほうとうが大好きである。という、私も外ではあまりほうとうを食べたことがないので不味いほうとうというのも検証してみる必要があろう。話がそれてしまったが、舞台も甲府、身延、小湊、鎌倉、伊東と関東近郊で盛りだくさんだし(特にちょっととはいえ鎌倉が出てくるのがうれしい。他に鎌倉が登場する作品があるのだろうか?)旅情ミステリーとしても満足できる。

北浦透さん

やはり、「伝説シリーズ」はいい!――と快哉したいぐらいです。導入から引き付けられるし、ミステリーとしても壮大なだけでなく、人物に存在感があるので、とても面白く読めました。 また、日蓮という題材も良かったと思いますし、個人的に身延山はぜひ登ってみたくなりました。日蓮と宝石業界を重ね合わせるのもうまい。シリーズ屈指のヒロインとの恋も十分満足できます。 欲を言えば後半、事件が解決していく様やエピローグをもう少したっぷり書いて欲しかったこと。それでも、上下巻浅見光彦の活躍を楽しめた作品でした。

(2006 5月 作成)
【単行本】日蓮伝説殺人事件
【単行本】実業之日本社
【ノベルス】日蓮伝説殺人事件 完全版 (ジョイ・ノベルス)
【文庫本】日蓮伝説殺人事件〈上〉 (角川文庫)
【関連】浅見光彦のミステリー紀行〈第4集〉―悲喜こもごも作家と編集者たち (光文社文庫)