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内田康夫FAN

31 王将たちの謝肉祭

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今井香子 今井清司 江崎三郎 江崎秀夫 大塚 尾崎淑子 井谷三水 佐島修平 丹波竜鬼 北村英助 秋山勇 桐野 大岩泰明 木下 遠藤 芹川 加藤 須藤 田村 大下正信 上木 川辺 広島 山田庄一 中宮真人 宮部憲太郎 真鍋一雄 広尾勝朗 広田祐 羽生 仲田智康 藤原 吉永春雄 野々宮 牧本伸夫 征田圭三
東京都台東区  東京都北区  長野県小諸市   
新幹線の中で見知らぬ男から預かった一通の封書。それは美少女棋士の香子を陰謀の渦の中へ引きずりこんだ。6日後、男は死体となって発見され、香子もまた何者かに襲われた。封書の中身は「九段の件―」と書かれ、将棋連盟理事長、北村のサインのある念書だったのだ。そして、将棋界の大物、柾田圭三九段の家で起きた第二の殺人!謎の念書に秘められた驚くべき事実。本格派の偉才が世に問うた異色問題サスペンス。 (上記より引用)
(父だ - )と江崎は確信した。征田圭三が言っていたことが事実だとすれば、父は坂田三吉の秘蔵弟子である。その愛弟子に三吉は自分の果たせなかった夢を託して、この将棋盤を贈ったにちがいない。
 その盤を - 恩師の願いを、父はここで捨てたのだ。
 江崎は盤の汚れを、指先で拭った。
『王将の謝肉祭』 角川文庫より引用
【FAN データ】平均的評価=☆☆☆☆☆(最高=5)
[感想より]

アンダンテさん

僕はこの「王将たち」や「北国街道殺人事件」など、浅見くんが登場しない内田作品も好きで読んでいます。推理ものというよりも純小説的で、感動的であるからです。 
 特にこの「王将たちの謝肉祭」は、勝負師の生き様とそこに内在するムラ社会の問題をテーマに痛快物に仕立て上げていながら作者も言っている「泣ける」「面白い」
作品として、推薦できます。最後のクライマックスだけでなく、読みながら何度も涙で活字が曇ってしまいました。「事件」がむしろとってつけたようで、「味付け」
になっています。でも、感動の作品です。

(2004 11月 作成)
【単行本】角川書店
【ノベルス】王将たちの謝肉祭 (広済堂ブルーブックス)
【文庫本】王将たちの謝肉祭 (天山文庫)
【文庫本】王将たちの謝肉祭 (角川文庫)
【関連】浅見光彦のミステリー紀行―ミステリーへの熱き想い〈番外編2〉 (光文社文庫)