内田康夫FAN |
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【登場人物】 浅見光彦 |
【舞台】 |
【あらすじ】 21年前、ボートの操舵ミスで房総の海に投げ出された浅見光彦の父・秀一は、美瀬島の漁船に助けられ、生死の境をさまよう床の中で、奇妙な声を聞いた。「そんなにつづけて送ることはない」「そうだな、来年に回すか」。そして父は、その翌年亡くなった。あれは死神たちの会話だったのかもしれない―母・雪江から聞いた話に興味を抱いた浅見は島を訪れ、不気味な光景の記憶におびえる天羽紗枝子と出会う。ところが、浅見と共に島へ渡ったルポライター・平子、浅見の父と親交のあった代議士秘書・増田が、相次いで水死体で発見されて…。 上記より |
【名場面】 |
【FAN データ】平均的評価=☆☆☆(最高=5) [感想より] 内田康夫の大ファンであることはこれまでの感想でたくさん書いたつもりです。 上巻はとても面白く読めました。謎の大掛かりさや二人のヒロイン、里見伝説に光彦の父が絡んだ豪華仕立てで作品世界に引き込まれたのはいつもとおりです。トリックを看破した浅見の推理はほれぼれするほど見事でした。 ところが、下巻から様子が変わってきました。ネタ晴れは自粛しますが、時事ネタの要素が強すぎて、ミステリーとはとても思えないし、登場人物にも感情移入できないばかりか、小説として地に足がついていない印象さえ受けました。社会派は歓迎ですが、少々作者の顔が出すぎてないか、内田康夫の魅力とはもっと他にあるのではないかと思いました。 浅見光彦も同様です。僕にとっての永遠のホームズですが、シャイで、さわやかなハンサムというイメージの代わりに、老成した印象を受けたのは寂しかったです。今回は特に難しい問題だと思いますが、果たして浅見ならもっと別の回答を打ち出してくれるのではないかと残念に思いました。 他の作家なら「珍しい小説を読んだ」と終わるところですが、内田さんだからこその不満が出てしまいました。次に読む作品に期待します! 北浦透さん (2018 10月 作成) |
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