河童 芥川龍之介 【日本の名作文学】

「河童」
作:芥川龍之介

 

これはある精神病院の患者、――第二十三号がだれにでもしゃべる話である。
彼はもう三十を越しているであろう。が、一見したところはいかにも若々しい
狂人である。

 

(略)

 

あの河童は職を失った後、ほんとうに発狂してしまいました。なんでも今は河
童の国の精神病院にいるということです。僕はS博士さえ承知してくれれば、
見舞いにいってやりたいのですがね……。

 

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