らい予防法の廃止に関する法律第六条に規定する援護に関する政令

平成8(1996)年 政令第94号
平成8(1996)年4月1日 施行(附則)

 内閣は、らい予防法の廃止に関する法律(平成八年法律第二十八号)第六条第四項及び第九条の規定に基づき、この政令を制定する。
(援護)
第一条
 らい予防法の廃止に関する法律第六条に規定する援護(以下「援護」という。)の種類及び範囲は、次の表のとおりとする。
種類 範囲
生活援助 一 衣食その他日常生活の需要を満たすために必要なもの
二 移送
教育援助 一 義務教育に伴って必要な学用品
二 義務教育に伴って必要な通学用品
三 学校給食その他義務教育に伴って必要なもの
住宅援助 一 住居
二 補修その他住宅の維持のために必要なもの
出産援助 一 分べんの介助
二 分べん前及び分べん後の処置
三 脱脂綿、ガーゼその他の衛生材料
生業援助 一 生業に必要な資金、器具又は資料
二 生業に必要な技能の修得
三 就労のために必要なもの
葬祭援助 一 検案
二 死体の運搬
三 火葬又は埋葬
四 納骨その他葬祭のために必要なもの
 援護は、援護を要する状態にある者(以下「要援護者」という。)について、厚生大臣が生活保護法(昭和二十五年法律第百四十四号)第八条第一項の規定に基づき定める基準の例により測定したその者の需要を基とし、そのうち、その者の金銭又は物品で満たすことのできない不足分を補う程度において行うものとする。
 援護の要否及び程度は、世帯を単位として定める。ただし、これにより難いときは、個人を単位として定めることができる。
 生活援助は、要援護者の居宅において行うものとする。
第二条
 援護は、要援護者、その扶養義務者又はその他の同居の親族の申請に基づいて開始するものとする。
 都道府県知事は、前項の申請があったときは、援護の要否、種類、程度及び方法を決定し、申請者に対し、書面をもって、これを通知しなければならない。
 前項の通知は、申請があった日から三十日以内にしなければならない。
 援護の開始の申請をしてから三十日以内に第二項の通知がないときは、申請者は、都道府県知事が申請を却下したものとみなすことができる。
 前三項の規定は、第一項に規定する者から援護の変更の申請があった場合に準用する。
 都道府県知事は、常に、援護を受けている者(以下「被援護者」という。)の生活状態を調査し、援護の変更を必要とすると認めるときは、速やかに、職権をもってその決定を行い、書面をもって、これを被援護者に通知しなければならない。第十三項の規定により援護の変更をするときも、同様とする。
 都道府県知事は、被援護者が援護を必要としなくなったときは、速やかに、援護の停止又は廃止を決定し、書面をもって、これを被援護者に通知しなければならない。第十三項の規定により援護の停止又は廃止をするときも、同様とする。
 第二項第五項において準用する場合を含む。)又は前二項の書面には、それぞれ決定の理由を付さなければならない。
 都道府県知事は、被援護者に対して、生活の維持、向上その他援護の目的達成に必要な指導又は指示をすることができる。
10
 都道府県知事は、援護の決定又は実施のために必要があるときは、当該職員をして、要援護者の居住の場所に立ち入り、その資産状況、健康状態その他の事項を調査させることができる。
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 前項の規定により立入調査を行う当該職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係人に提示しなければならない。
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 第十項の規定による立入調査の権限は、犯罪授査のために認められたものと解釈してはならない。
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 都道府県知事は、被援護者が、第九項の規定による指導若しくは指示に従わず、又は第十項の規定による立入調査を拒み、妨げ、若しくは忌避したときは、援護の変更、停止又は廃止をすることができる。
第三条
 都道府県知事は、不実の申請その他不正の手段により援護を受け、又は他人をして受けさせた者があるときは、その者から、その援護に要した費用の全部又は一部を徴収することができる。
(国庫の負担)
第四条
 らい予防法の廃止に関する法律第九条の規定による国庫の負担は、各年度において、当該年度において現に要した当該費用の額からその費用のための寄附金の額及び当該年度における同法第八条第一項又は前条の規定による徴収金の額を控除した額について行う。

附則(抄)

(施行期日)
第一条
 この政令は、平成八年四月一日から施行する。
(らい予防法施行令の廃止)
第二条
 らい予防法施行令(昭和二十九年政令第二百二十三号)は、廃止する。
(医療法施行令の一部改正)
第三条
 医療法施行令(昭和二十三年政令第三百二十六号)の一部を次のように改正する。
 第四条の七中「、らい」を削る。
(法人税法施行令の一部改正)
第四条
 法人税法施行令(昭和四十年政令第九十七号)の一部を次のように改正する。
 第五条第一項第二十九号ヌ中「らい予防法(昭和二十八年法律第二百十四号)に規定するらい患者」を「ハンセン病患者」に改める。
(沖縄の復帰に伴う厚生省関係法令の適用の特別措置等に関する政令の一部改正)
第五条
 沖縄の復帰に伴う厚生省関係法令の適用の特別措置等に関する政令(昭和四十七年政令第百八号)の一部を次のように改正する。
 第二十六条第一項第七号を次のように改める。
 七 削除
 第七十条第一項第十一号を次のように改める。
 十一 削除
(沖縄の復帰に伴う厚生省関係法令の適用の特別措置等に関する政令の一部改正に伴う経過措置)
第六条
 らい予防法の廃止に関する法律附則第四条の規定によりなおその効力を有するものとされた同法第一条の規定による廃止前のらい予防法(昭和二十入年法律第二百十四号)第二十六条第一項の規定の適用については、沖縄の復帰に伴う特別措置に関する法律(昭和四十六年法律第百二十九号)第百条第一項に規定する介輔及び同法第百一条第一項に規定する歯科介輔は、医師とみなす。
(沖縄振興開発特別措置法施行令の一部改正)
第七条
 沖縄振興開発特別措置法施行令(昭和四十七年政令第百八十五号)の一部を次のように改正する。
 別表第三第十一号中「らいの」を「ハンセン病の」に、「らい患者」を「ハンセン病患者」に、「らい療養所」を「ハンセン病療養所」に改める。
(研究交流促進法施行令の一部改正)
第八条
 研究交流促進法施行令(昭和六十一年政令第三百四十五号)の一部を次のように改正する。
 別表第一第三十二号を次のように改める。
 三十二 厚生省国立ハンセン病研究所
(厚生省組織令の一部改正)
第九条
 厚生省組織令(昭和二十七年政令第三百八十八号)の一部を次のように改正する。
 第二十条の二第三号中「国立らい研究所」を「国立ハンセン病研究所」に改める。
 第三十五条の二第二号中「及びらい予防法(昭和二十八年法律第二百十四号)」を削り、「結核及びらい」を「結核」に改める。
 第三十九条第三号中「らい療養所」を「ハンセン病療養所」に改める。
 第九十五条中「国立らい研究所」を「国立ハンセン病研究所」に改める。
 第百二条の見出しを「(国立ハンセン病研究所)」に改め、同条第一項中「国立らい研究所」を「国立ハンセン病研究所」に、「らいの」を「ハンセン病の」に改め、同条第二項中「国立らい研究所」を「国立ハンセン病研究所」に改める。

入力:河原一敏
初出:1998年10月28日
更新:1999年11月15日