精神薄弱者福祉法
昭和35(1960)年3月31日 法律第37号
昭和35(1960)年4月1日 施行
最終改正 平成6(1994)年 法律49
目次
第一章 総則(第一条−第五条)
第二章 削除
第三章 援護を行う者及び福祉の措置(第九条−第十七条の二)
第四章 事業及び施設(第十八条−第二十一条の八)
第五章 費用(第二十二条−第二十七条の二)
第六章 雑則(第二十八条−第三十一条)
- (この法律の目的)
- 第一条
- この法律は、精神薄弱者に対し、その更生を援助するとともに必要な保護を行ない、もつて精神薄弱者の福祉を図ることを目的とする。
- (国及び地方公共団体の責務)
- 第二条
- 国及び地方公共団体は、精神薄弱者の福祉について国民の理解を深めるとともに、精神薄弱者に対する更生の援助と必要な保護の実施につとめなければならない。
- (関係職員の協力義務)
- 第三条
- この法律及び児童福祉法(昭和二十二年法律第百六十四号)による福祉の措置の実施並びにその監督に当たる国及び地方公共団体の職員は、精神薄弱者に対する福祉の措置が児童から成人まで関連性をもつて行なわれるように相互に協力しなければならない。
- (定義)
- 第四条
- 1
- この法律において、「精神薄弱者居宅生活支援事業」とは、精神薄弱者居宅介護等事業、精神薄弱者短期入所事業及び精神薄弱者地域生活援助事業をいう。
- 2
- この法律において、「精神薄弱者居宅介護等事業」とは、第十五条の三第一項の措置に係る者につきその者の居宅において同項の厚生省令で定める便宜を供与する事業をいう。
- 3
- この法律において、「精神薄弱者短期入所事業」とは、第十五条の三第二項の措置に係る者を同項の厚生省令で定める施設に短期間入所させ、その者につき必要な保護を行う事業をいう。
- 4
- この法律において、「精神薄弱者地域生活援助事業」とは、第十六条第三項の措置に係る者につき同項に規定する住居において同項に規定する日常生活上の援助を行う事業をいう。
- 第五条
- この法律において、「精神薄弱者援護施設」とは、精神薄弱者更生施設、精神薄弱者授産施設、精神薄弱者通勤寮及び精神薄弱者福祉ホームをいう。
- 第六条から第八条まで
- 削除
- (援護の実施者)
- 第九条
- 第十六条第一項及び第三項に定める精神薄弱者に対する援護は、居住地を有する精神薄弱者については、その居住地を管轄する福祉事務所(社会福祉事業法(昭和二十六年法律第四十五号)に定める福祉に関する事務所をいう。以下同じ。)を設置する都道府県又は市町村が、居住地を有しないか、又は明らかでない精神薄弱者については、その現在地の都道府県が行うものとする。
- (精神薄弱者福祉司)
- 第十条
- 1
- 都道府県は、精神薄弱者福祉司を置かなければならない。
- 2
- 市及び福祉事務所を設置する町村は、精神薄弱者福祉司を置くことができる。
- 3
- 精神薄弱者福祉司は、福祉事務所の長(以下「福祉事務所長」という。)の命を受けて、精神薄弱者の福祉に関し、次の業務を行なうものとする。
- 一
- 福祉事務所の所員に対し、技術的指導を行なうこと。
- 二
- 第十三条第一項第二号に規定する業務のうち、専門的技術を必要とするものを行なうこと。
- 4
- 精神薄弱者福祉司が置かれていない福祉事務所の長は、十八歳以上の精神薄弱者に係る前項第二号の業務については、他に置かれている精神薄弱者福祉司の技術的援助及び助言を求めなければならない。
- 5
- 精神薄弱者福祉司は、前項の規定により福祉事務所長から技術的援助及び助言を求められたときは、これに協力しなければならない。
- 第十一条
- 精神薄弱者福祉司は、事務吏員又は技術吏員とし、次の各号の一に該当する者のうちから、任用しなければならない。
- 一
- 社会福祉事業法に定める社会福祉主事たる資格を有する者であつて、精神薄弱者の福祉に関する事業に二年以上従事した経験を有するもの
- 二
- 学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)に基づく大学又は旧大学令(大正七年勅令第三百八十八号)に基づく大学において、厚生大臣の指定する社会福祉に関する科目を修めて卒業した者
- 三
- 医師
- 四
- 精神薄弱者の福祉に関する事業に従事する職員を養成する学校その他の施設で厚生大臣の指定するものを卒業した者
- 五
- 前各号に準ずる者であつて、精神薄弱者福祉司として必要な学識経験を有するもの
- (精神薄弱者更生相談所)
- 第十二条
- 1
- 都道府県は、精神薄弱者更生相談所を設けなければならない。
- 2
- 精神薄弱者更生相談所は、精神薄弱者の福祉に関し、主として、次の業務を行なうものとする。
- 一
- 精神薄弱者に関する問題につき、家庭その他からの相談に応ずること。
- 二
- 十八歳以上の精神薄弱者の医学的、心理学的及び職能的判定を行ない、並びにこれに付随して必要な指導を行なうこと。
- 3
- 精神薄弱者更生相談所は、必要に応じ、巡回して、前項の業務を行なうことができる。
- (福祉事務所)
- 第十三条
- 1
- 福祉事務所は、この法律の施行に関し、主として、次の業務を行なうものとする。
- 一
- 精神薄弱者の福祉に関し、必要な実情の把握につとめること。
- 二
- 精神薄弱者の福祉に関する相談に応じ、必要な調査及び指導を行なうこと並びにこれらに付随する業務を行なうこと。
- 2
- 福祉事務所長は、十八歳以上の精神薄弱者につき前項第二号の業務を行なうに当たつて、特に医学的、心理学的及び職能的判定を必要とする場合には、精神薄弱者更生相談所の判定を求めなければならない。
- (協力機関)
- 第十四条
- 福祉事務所を設置しない町村の長は、当該町村の区域内に居住地を有する精神薄弱者の援護について、都道府県知事又は福祉事務所長の行なう事務に協力しなければならない。
- (民生委員の協力)
- 第十五条
- 民生委員法(昭和二十三年法律第百九十八号)に定める民生委員は、この法律の施行について、市町村長、福祉事務所長、精神薄弱者福祉司又は社会福祉主事の事務の執行に協力するものとする。
- (精神薄弱者相談員)
- 第十五条の二
- 1
- 都道府県は、精神薄弱者の福祉の増進を図るため、精神薄弱者又はその保護者(配偶者、親権を行う者、後見人その他の者で、精神薄弱者を現に監督保護するものをいう。以下同じ。)の相談に応じ、及び精神薄弱者の更生のために必要な援助を行うことを、社会的信望があり、かつ、精神薄弱者に対する更生の援助と必要な保護に熱意と識見を持つている者に委託することができる。
- 2
- 前項の規定により委託を受けた者は、精神薄弱者相談員と称する。
- 3
- 精神薄弱者相談員は、その委託を受けた業務を行うに当たつては、個人の人格を尊重し、その身上に関する秘密を守らなければならない。
- (福祉の措置)
- 第十五条の三
- 1
- 市町村は、必要に応じ、十八歳以上の精神薄弱者であつて日常生活を営むのに支障があるものにつき、政令で定める基準に従い、その者の居宅において、入浴、排せつ、食事等の介護その他の日常生活を営むのに必要な便宜であつて厚生省令で定めるものを供与し、又は当該市町村以外の者に当該便宜を供与することを委託する措置を採ることができる。
- 2
- 都道府県は、必要に応じ、介護を行う者の疾病その他の理由により居宅において介護を受けることが一時的に困難となつた十八歳以上の精神薄弱者を、政令で定める基準に従い、当該都道府県若しくは指定都市の設置する精神薄弱者更生施設、精神薄弱者授産施設その他の厚生省令で定める施設(以下この項において「精神薄弱者更生施設等」という。)に短期間入所させ、必要な保護を行い、又は当該都道府県以外の者の設置する精神薄弱者更生施設等に短期間入所させ、必要な保護を行うことを委託する措置を採ることができる。
- 3
- 都道府県は、前二項の措置を採るほか、その福祉を図るため、必要に応じ、日常生活を営むのに支障がある十八歳以上の精神薄弱者につき、日常生活上の便宜を図るための用具であつて厚生大臣が定めるものを給付し、若しくは貸与し、又は当該都道府県以外の者にこれを給付し、若しくは貸与することを委託する措置を採ることができる。
- 第十六条
- 1
- 援護の実施者は、十八歳以上の精神薄弱者につき、その福祉を図るため、必要に応じ、次の措置を採らなければならない。
- 一
- 精神薄弱者又はその保護者を精神薄弱者福祉司又は社会福祉主事に指導させること。
- 二
- 精神薄弱者を当該地方公共団体の設置する精神薄弱者援護施設に入所させ、若しくはそれを利用させてその援護を行い、又は他の地方公共団体若しくは社会福祉法人の設置する精神薄弱者援護施設若しくは心身障害者福祉協会法(昭和四十五年法律第四十四号)第十七条第一項第一号の規定により心身障害者福祉協会の設置する福祉施設に入所させてその援護を行うことを委託すること。
- 三
- 精神薄弱者の援護を職親(精神薄弱者を自己の下に預かり、その更生に必要な指導訓練を行うことを希望する者であつて、都道府県、市又は福祉事務所を設置する町村の長が適当と認めるものをいう。)に委託すること。
- 2
- 援護の実施者は、前項第二号又は第三号の措置を採るに当たつて、医学的、心理学的及び職能的判定を必要とする場合には、あらかじめ、精神薄弱者更生相談所の判定を求めなければならない。
- 3
- 援護の実施者は、必要に応じ、地域において共同生活を営むのに支障のない精神薄弱者につき、政令で定める基準に従い、これらの者が共同生活を営むべき住居において食事の提供、相談その他の日常生活上の援助を行い、又は当該援護の実施者以外の者に当該住居において当該日常生活上の援助を行うことを委託する措置を採ることができる。
- (福祉事務所長への委任)
- 第十七条
- 都道府県、市又は福祉事務所を設置する町村の長は、第十五条の三第一項並びに前条第一項及び第三項の措置を採る権限の全部又は一部をその管理する福祉事務所長に委任することができる。
- (措置の解除に係る説明等)
- 第十七条の二
- 都道府県知事又は市町村長は、第十五条の三又は第十六条第一項若しくは第三項の措置を解除する場合には、あらかじめ、当該措置に係る者又はその保護者に対し、当該措置の空きじょ の理由について説明するとともに、その意見を聴かなければならない。ただし、当該措置に係る者又はその保護者から当該措置の解除の申出があつた場合その他厚生省令で定める場合においては、この限りでない。
- (行政手続法の適用除外)
- 第十七条の三
- 第十五条の三又は第十六条第一項若しくは第三項の措置を解除する処分については、行政手続法(平成五年法律第八十八号)第三章(第十二条及び第十四条を除く。)の規定は、適用しない。
- (連絡及び調整)
- 第十七条の四
- 関係地方公共団体は、第十五条の三又は第十六条第一項若しくは第三項の規定による福祉の措置が適切に行われるように相互に連絡及び調整を図らなければならない。
- (精神薄弱者居宅生活支援事業の開始)
- 第十八条
- 1
- 国及び都道府県以外の者は、厚生省令の定めるところにより、あらかじめ、厚生省令で定める事項を都道府県知事に届け出て、精神薄弱者居宅生活支援事業(精神薄弱者地域生活援助事業を除く。以下同じ。)を行うことができる。
- 2
- 国及び都道府県以外の者は、社会福祉事業法の定めるところにより、精神薄弱者地域生活援助事業を行うことができる。
- (施設の設置)
- 第十九条
- 1
- 都道府県は、精神薄弱者援護施設を設置することができる。
- 2
- 市町村、社会福祉法人その他の者は、社会福祉事業法の定めるところにより、精神薄弱者援護施設を設置することができる。
- (廃止又は休止)
- 第二十条
- 国及び都道府県以外の者は、精神薄弱者居宅生活支援事業を廃止し、又は休止しようとするときは、あらかじめ、厚生省令で定める事項を都道府県知事に届け出なければならない。
- (施設の基準)
- 第二十一条
- 1
- 厚生大臣は、中央児童福祉審議会の意見を聴き、精神薄弱者援護施設の設備及び運営について、基準を定めなければならない。
- 2
- 精神薄弱者援護施設については、前項の規定による基準を社会福祉事業法第六十条第一項の規定による最低基準とみなして、同法第五十七条第四項、第六十条第二項及び第六十六条の規定を適用する。
- (告知の義務)
- 第二十一条の二
- 1
- 都道府県知事は、精神薄弱者の福祉のために必要があると認めるときは、精神薄弱者居宅生活支援事業を行う者に対し、必要と認める事項の報告を求め、又は当該職員に、関係者に対して質問させ、若しくはその事務所若しくはその施設に立ち入り、設備、帳簿書類その他の物件を検査させることができる。
- 2
- 前項の規定による質問又は立入検査を行う場合においては、当該職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者の請求があるときは、これを提示しなければならない。
- 3
- 第一項の規定による権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。
- (事業の停止等)
- 第二十一条の三
- 都道府県知事は、精神薄弱者居宅生活支援事業を行う者が、この法律若しくはこれに基づく命令若しくはこれらに基づいてする処分に違反したとき、又はその事業に関し不当に営利を図り、若しくは第十五条の三第一項及び第二項の措置に係る精神薄弱者等の処遇につき不当な行為をしたときは、その事業を行う者に対し、その事業の制限又は停止を命ずることができる。
- (受託義務)
- 第二十一条の四
- 精神薄弱者居宅生活支援事業を行う者又は精神薄弱者援護施設の設置者は、第十五条の三第一項若しくは第二項又は第十六条第一項第二号の規定による委託を受けたときは、正当な理由がない限り、これを拒んではならない。
- (精神薄弱者更生施設)
- 第二十一条の五
- 精神薄弱者更生施設は、十八歳以上の精神薄弱者を入所させて、これを保護するとともに、その更生に必要な指導及び訓練を行うことを目的とする施設とする。
- (精神薄弱者授産施設)
- 第二十一条の六
- 精神薄弱者授産施設は、十八歳以上の精神薄弱者であつて雇用されることが困難なものを入所させて、自活に必要な訓練を行うとともに、職業を与えて自活させることを目的とする施設とする。
- (精神薄弱者通勤寮)
- 第二十一条の七
- 精神薄弱者通勤寮は、就労している精神薄弱者に対し、居室その他の設備を利用させるとともに、独立自活に必要な助言及び指導を行うことを目的とする施設とする。
- (精神薄弱者福祉ホーム)
- 第二十一条の八
- 精神薄弱者福祉ホームは、低額な料金で、現に住居を求めている精神薄弱者に対し、居室その他の設備を利用させるとともに、日常生活に必要な便宜を供与することを目的とする施設とする。
第五章 費用
- (市町村の支弁)
- 第二十二条
- 次に掲げる費用は、市町村の支弁とする。
- 一
- 第十条第二項の規定により市町村が設置する精神薄弱者福祉司に要する費用
- 一の二
- 第十五条の三第一項の規定により市町村が行う行政措置に要する費用
- 二
- 第十六条(第三項を除く。)の規定により市町村が行う行政措置に要する費用
- 三
- 市町村が設置する精神薄弱者援護施設の設置及び運営に要する費用
- (都道府県の支弁)
- 第二十三条
- 次に掲げる費用は、都道府県の支弁とする。
- 一
- 第十条第一項の規定により都道府県が設置する精神薄弱者福祉司に要する費用
- 二
- 第十二条第一項の規定により都道府県が設置する精神薄弱者更生相談所に要する費用
- 二の二
- 第十五条の三第二項の規定により都道府県が行う行政措置に要する費用
- 三
- 第十六条(第三項を除く。)の規定により都道府県が行う行政措置に要する費用
- 四
- 都道府県が設置する精神薄弱者援護施設の設置及び運営に要する費用
- 第二十四条
- 削除
- (都道府県の負担及び補助)
- 第二十五条
- 1
- 都道府県は、政令の定めるところにより、第二十二条第三号の規定により市町村が支弁した費用のうち、精神薄弱者援護施設(精神薄弱者通勤寮及び精神薄弱者福祉ホームを除く。)の設置に要する費用については、その四分の一を負担する。
- 2
- 都道府県は、政令の定めるところにより、第二十二条の規定により市町村が支弁した費用のうち、第十五条の三第一項の規定による行政措置に要する費用については、その四分の一以内を補助することができる。
- (国の負担及び補助)
- 第二十六条
- 1
- 国は、政令の定めるところにより、第二十二条又は第二十三条の規定により市町村又は都道府県が支弁した費用について、次に掲げる費用の十分の五を負担する。
- 一
- 第二十二条第二号の費用のうち、第十六条第一項第二号の規定による行政措置に要する費用
- 一の二
- 第二十二条第三号の費用(精神薄弱者通勤寮及び精神薄弱者福祉ホームの設置及び運営に要する費用を除く。)
- 二
- 第二十三条第三号の費用のうち、第十六条第一項第二号の規定による行政措置に要する費用
- 三
- 第二十三条第四号の費用(精神薄弱者通勤寮及び精神薄弱者福祉ホームの設置及び運営に要する費用を除く。)
- 2
- 国は、政令の定めるところにより、第二十二条又は第二十三条の規定により市町村又は都道府県が支弁した費用について、次に掲げる費用の二分の一以内を補助することができる。
- 一
- 第二十二条第一号の二の費用のうち、第十五条の三第一項の規定による行政措置に要する費用
- 二
- 第二十三条第二号の二の費用のうち、第十五条の三第二項の規定による行政措置に要する費用
- (費用の徴収)
- 第二十七条
- 第十六条第一項第二号の規定による行政措置に要する費用を支弁すべき都道府県又は市町村の長は、当該行政措置により精神薄弱者援護施設又は心身障害者福祉協会の設置する福祉施設に入所中の精神薄弱者又はその扶養義務者(民法(明治二十九年法律第八十九号)に定める扶養義務者をいう。)から、その負担能力に応じて、入所中に要する費用の全部又は一部を徴収することができる。
- (準用規定)
- 第二十七条の二
- 社会福祉事業法第五十六条第二項から第四項までの規定は、国有財産特別措置法(昭和二十七年法律第二百十九号)第二条第二項第一号の規定又は同法第三条第一項第四号及び第二項の規定により普通財産の譲渡又は貸付けを受けた社会福祉法人に準用する。
- (町村の一部事務組合等)
- 第二十八条
- 町村が一部事務組合又は広域連合を設けて福祉事務所を設置した場合には、この法律の適用については、その一部事業組合又は広域連合を福祉事務所を設置する町村とみなす。
- (援護の実施者が変更した場合の経過規定)
- 第二十九条
- 町村の福祉事務所の設置又は廃止により援護の実施者に変更があつた場合においては、この法律又はこの法律に基づく命令の規定により、変更前の援護の実施者がした処分その他の行為は、変更後の援護の実施者がした処分その他の行為とみなす。ただし、変更前に行われ、又は行われるべきであつた援護に関する費用の支弁及び負担については、変更がなかつたものとする。
- (大都市の特例)
- 第三十条
- 1
- この法律の規定中都道府県が処理することとされている事務又は都道府県知事その他の都道府県の機関若しくは職員の権限に属するものとされている事務で政令で定めるものは、地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第二百五十二条の十九第一項の指定都市(以下この条において「指定都市」という。)及び同法第二百五十二条の二十二第一項の中核市(以下この条において「中核市」という。)においては、政令の定めるところにより、指定都市若しくは中核市(以下この条において「指定都市等」という。)が処理し、又は指定都市等の長その他の機関若しくは職員が行うものとする。この場合においては、この法律の規定中都道府県又は都道府県知事その他の都道府県の機関若しくは職員に関する規定は、指定都市等又は指定都市等の長その他の機関若しくは職員に関する規定として指定都市又は指定都市の長その他の機関若しくは職員に適用があるものとする。
- 2
- 前項の規定により指定都市等の長がした処分に係る審査請求についての都道府県知事の裁決に不服がある者は、厚生大臣に対して再審査請求をすることができる。
- (実施命令)
- 第三十一条
- この法律に特別の規定があるものを除くほか、この法律の実施のための手続その他その執行について必要な細則は、厚生省令で定める。
附則(抄)
- (施行期日)
-
- この法律は、昭和三十五年四月一日から施行する。
- (社会福祉事業法附則第七項に関する特例)
- 2
- 社会福祉事業法附則第七項の規定に基づき置かれた組織の長は、この法律の適用については、福祉事務所長とみなす。
- (援護の措置の特例)
-
- 援護の実施者は、児童福祉法第六十三条の五の規定による通知に係る児童について、第十六条第一項第二号の措置を採ることができる。
- 4
- 前項に規定する児童は、第十条第四項及び第十三条第二項の規定の適用については、十八歳以上の精神薄弱者とみなす。
- (昭和六十一年度から昭和六十三年度までの特例)
- 6
- 第二十六条第一項の規定の昭和六十一年度から昭和六十三年度までの各年度における適用については、同項第一号及び第三号中「十分の八」とあるのは「十分の五」とする。
附則(平2法58)(抄)
- (施行期日)
- 第一条
- この法律は、平成三年一月一日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
- 一
- (略)
- 二
- (前略)精神薄弱者福祉法第二十二条の改正規定(同条第一号の次に一号を加える部分に限る。)、同法第二十三条の改正規定(同条第二号の次に一号を加える部分に限る。)、同法第二十五条の改正規定(同条の見出しを改める部分及び同条に一項を加える部分に限る。)及び同法第二十六条の改正規定(同条の見出しを改める部分及び同条に一項を加える部分に限る。)(中略) 平成三年四月一日
- 三
- (前略)第六条(精神薄弱者福祉法の一部改正)の規定(中略) 平成五年四月一日
- (検討)
- 第二条
- 政府は、老人及び身体障害者に対する居宅における介護等の措置の推進のための方策及びこれに伴なう国の費用負担の方式については、平成五年度以降において、市町村の居宅における介護等の措置に係る供給体制の確保の状況を総合的に勘案して検討を行い、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする。
- (精神薄弱者福祉法の一部改正に伴う経過措置)
- 第十二条
- この法律の施行の際現に第五条の規定による改正後の精神薄弱者福祉法(以下この条及び次条において「新法」という。)第四条に規定する精神薄弱者居宅生活支援事業(同条第四項に規定する精神薄弱者地域生活援助事業を除く。)を行つている国及び都道府県以外の者について新法第十八条第一項の規定を適用する場合においては、同項中「あらかじめ」とあるのは、「老人福祉法等の一部を改正する法律(平成二年法律第五十八号)の施行の日から起算して三月以内に」とする。
- 第十三条
- 1
- この法律の施行の際現に新法第二十一条の七に規定する精神薄弱者通勤寮又は新法第二十一条の八に規定する精神薄弱者福祉ホーム(以下「精神薄弱者通勤寮等」という。)を経営している市町村又は社会福祉法人であつて、社会福祉事業法第六十四条第一項の規定による届出をしているものは、同法第五十七条第一項の規定による届出をしたものとみなす。
- 2
- この法律の施行の際現に精神薄弱者通勤寮等を経営している市町村又は社会福祉法人であつて、この法律の施行の日前一月以内に精神薄弱者通勤寮等を経営する事業を開始したものが、同日において、社会福祉事業法第六十四条第一項の規定による届出をしていないときは、その者は、当該事業を開始した日から一月間は、同法第五十七条第一項の規定による届出をしないで、当該事業を従前の例により引き続き経営することができる。
- 3
- 前項の規定により従前の例により引き続き精神薄弱者通勤寮等を経営することができる者が、当該事業を開始した日から一月間に、社会福祉事業法第六十四条第一項の規定による届出をしたときは、その者は、同法第五十七条第一項の規定による届出をしたものとみなす。
- 第十四条
- 1
- この法律の施行の際現に精神薄弱者通勤寮等を経営している国、都道府県、市町村及び社会福祉法人以外の者であつて、社会福祉事業法第六十四条第一項の規定による届出をしているものは、同法第五十七条第二項の許可を受けたものとみなす。
- 2
- この法律の施行の際現に精神薄弱者通勤寮等を経営している国、都道府県、市町村及び社会福祉法人以外の者であつて、この法律の施行の日前一月以内に精神薄弱者通勤寮等を経営する事業を開始したものが、同日において、社会福祉事業法第六十四条第一項の規定による届出をしていないときは、その者は、当該事業を開始した日から一月間は、同法第五十七条第二項の許可を受けないで、当該事業を従前の例により引き続き経営することができる。
- 3
- 前項の規定により従前の例により引き続き精神薄弱者通勤寮等を経営することができる者が、当該事業を開始した日から一月間に、社会福祉事業法第六十四条第一項の規定による届出をしたときは、その者は、同法第五十七条第二項の許可を受けたものとみなす。
- 第十五条
- 1
- この法律の施行の際現に精神薄弱者通勤寮等を経営している市町村又は社会福祉法人であつて、この法律の施行の日前一月以内に社会福祉事業法第六十四条第一項の規定により届け出た事項に変更を生じたものが、同日において、同条第二項の規定による届出をしていないときは、その者は、当該変更を生じた日から一月間は、同法第五十八条第一項の規定による届出をしないで、当該事業を従前の例により引き続き経営することができる。
- 2
- 前項の規定により従前の例により引き続き精神薄弱者通勤寮等を経営することができる者が、当該変更を生じた日から一月間に、社会福祉事業法第六十四条第二項の規定による届出をしたときは、その者は、同法五十八条第一項の規定による届出をしたものとみなす。
- 第十六条
- 1
- この法律の施行の際現に精神薄弱者通勤寮等を経営している国、都道府県、市町村及び社会福祉法人以外の者であつて、この法律の施行の日前一月以内に社会福祉事業法第五十八条第二項に規定する事項に変更を生じたものが、同日において、同法第六十四条第二項の規定による届出をしていないときは、その者は、当該変更を生じた日から一月間は、同法第五十八条第二項の許可を受けないで、当該事業を従前の例により引き続き経営することができる。
- 2
- 前項の規定により従前の例により引き続き精神薄弱者通勤寮等を経営することができる者が、当該変更を生じた日から一月間に、社会福祉事業法第六十四条第二項の規定による届出をしたときは、その者は、同法第五十八条第二項の許可を受けたものとみなす。
- (その他の経過措置の政令への委任)
- 第二十二条
- この附則に規定するもののほか、この法律の施行に伴い必要な経過措置は、政令で定める。
附属法令
- 精神薄弱者福祉法施行令
- 昭和35年4月18日 政令103
昭和35年4月18日 施行
- 精神薄弱者福祉法施行規則
- 昭和35年5月9日 厚生省令16
昭和35年5月9日 施行
- 精神薄弱者援護施設の設備及び運営に関する基準
- 平成2年12月19日 厚生省令57
平成3年1月1日 施行
- 福祉の措置の解除に係る説明等に関する省令
- 平成6年9月27日 厚生省令62
平成6年10月1日 施行
関係法令
- 障害者の雇用の促進等に関する法律
- 昭和35年7月25日 法律123
昭和35年7月25日 施行
- 社会福祉事業法
- 昭和26年3月29日 法律45
昭和26年6月1日 施行
- 児童福祉法
- 昭和22年12月12日 法律164
昭和23年1月1日 施行
- 特別児童扶養手当等の支給に関する法律
- 昭和39年7月2日 法律134
昭和39年9月1日 施行
- 心身障害者福祉協会法
- 昭和45年5月4日 法律44
昭和45年5月4日 施行
- 社会福祉士及び介護福祉士法
- 昭和62年5月26日 法律30
昭和63年4月1日 施行
- 介護労働者の雇用管理の改善等に関する法律
- 平成4年5月27日 法律63
平成4年7月1日 施行
入力者:河原一敏