日米相互防衛援助協定等に伴う秘密保護法
昭和29年6月9日 法律第166号
昭和29年7月1日 施行
改正 昭30法102
第四条中「禁こ」(禁錮)の「こ」には傍点が付けられている。
第五条中「せん動」(煽動)の「せん」には傍点が付けられている。
- (定義)
- 第一条
- 1
- この法律において「日米相互防衛援助協定等」とは、日本国とアメリカ合衆国との間の相互防衛援助協定、日本国とアメリカ合衆国との間の船舶貸借協定及び日本国に対する合衆国艦艇の貸与に関する協定をいう。
- 2
- この法律において「装備品等」とは、船舶、航空機、武器、弾薬その他の装備品及び資材をいう。
- 3
- この法律において「防衛秘密」とは、左に掲げる事項及びこれらの事項に係る文書、図画又は物件で、公になつていないものをいう。
- 一
- 日米相互防衛援助協定等に基き、アメリカ合衆国政府から供与された装備品等について左に掲げる事項
- イ
- 構造又は性能
- ロ
- 製作、保管又は修理に関する技術
- ハ
- 使用の方法
- ニ
- 品目及び数量
- 二
- 日米相互防衛援助協定等に基き、アメリカ合衆国政府から供与された情報で、装備品等に関する前号イからハまでに掲げる事項に関するもの
- (防衛秘密保護上の措置)
- 第二条
- 防衛秘密を取り扱う国の行政機関の長は、政令で定めるところにより、防衛秘密について、標記を附し、関係者に通知する等防衛秘密の保護上必要な措置を講ずるものとする。
- (罰則)
- 第三条
- 1
- 左の各号の一に該当する者は、十年以下の懲役に処する。
- 一
- わが国の安全を害すべき用途に供する目的をもつて、又は不当な方法で、防衛秘密を探知し、又は収集した者
- 二
- わが国の安全を害する目的をもつて、防衛秘密を他人に漏らした者
- 三
- 防衛秘密を取り扱うことを業務とする者で、その業務により知得し、又は領有した防衛秘密を他人に漏らしたもの
- 2
- 前項第二号又は第三号に該当する者を除き、防衛秘密を他人に漏らした者は、五年以下の懲役に処する。
- 3
- 前二項の未遂罪は、罰する。
- 第四条
- 1
- 防衛秘密を取り扱うことを業務とする者で、その業務により知得し、又は領有した防衛秘密を過失により他人に漏らしたものは、二年以下の禁こ又は五万円以下の罰金に処する。
- 2
- 前項に掲げる者を除き、業務により知得し、又は領有した防衛秘密を過失により他人に漏らした者は、一年以下の禁こ又は三万円以下の罰金に処する。
- 第五条
- 1
- 第三条第一項の罪の陰謀をした者は、五年以下の懲役に処する。
- 2
- 第三条第二項の罪の陰謀をした者は、三年以下の懲役に処する。
- 3
- 第三条第一項の罪を犯すことを教唆し、又はせん動した者は、第一項と同様とし、同条第二項の罪を犯すことを教唆し、又はせん動した者は、前項と同様とする。
- 4
- 前項の規定は、教唆された者が教唆に係る犯罪を実行した場合において、刑法(明治四十年法律第四十五号)総則に定める教唆の規定の適用を排除するものではない。
- (自首減免)
- 第六条
- 第三条第一項第一号若しくは第三項又は前条第一項若しくは第二項の罪を犯した者が自首したときは、その刑を軽減し、又は免除する。
- (この法律の解釈適用)
- 第七条
- この法律の適用にあたつては、これを拡張して解釈して、国民の基本的人権を不当に侵害するようなことがあつてはならない。
附則
- この法律は、公布の日から起算して一月をこえない範囲内において政令で定める日(昭和29年7月1日)から施行する。
附属法令
- 日米相互防衛援助協定等に伴う秘密保護法施行令
- 昭和29年6月19日 政令149
昭和29年7月1日 施行
関係法令
- 日本国とアメリカ合衆国との間の相互防衛援助協定
- 昭和29年5月1日 条約1
昭和29年5月1日 施行
- 日本国に対する合衆国艦艇の貸与に関する協定
- 昭和29年6月5日 条約13
昭和29年6月5日 施行
入力者:河原一敏