統計報告調整法

昭和37(1952)年5月24日 法律第148号
昭和37(1952)年8月1日 施行
改正 昭和37年7月31日 法260
   昭和43年4月30日 法105
   昭和37年9月15日 法161
   昭和43年6月15日 法99
   昭和45年6月1日 法111
   昭和58年12月2日 法80
   昭和63年12月16日 法96


(目的)
第一条
 この法律は、統計報告の徴集方法、報告様式その他統計報告の徴集について必要な調整を行い、もつて統計報告の作成に伴う負担を軽減するとともに、行政事務の能率化を図ることを目的とする。

(この法律の運用)
第二条
 総務庁長官は、この法律の運用に当たつては、関係行政機関の権限を不当に侵害しないように留意し、専ら統計上の見地から、統計報告の徴集について調整を行わなければならない。

(定義)
第三条
 この法律において「統計報告」とは、国の行政機関(国家行政組織法(昭和二十三年法律第百二十号)第三条第二項に規定する国の行政機関をいう。以下「行政機関」という。)が、直接又は地方公共団体の機関を通じ、次に掲げる者に対し、報告様式を示して提出を求める一定の時点又は期間についての報告で、その結果の全部又は一部が統計を作成するために用いられるものをいう。
 人又は法人その他の団体(地方公共団体及び政令で定める法人を除く。以下同じ。)で、それらの総数が十以上となるもの
 政令で定める文教研修施設、医療更生施設その他の国家行政組織法第八条の二に規定する機関又は政令で定めるこれらに準ずる地方公共団体の機関で、それらの総数に、ともに報告の提出を求められる人又は法人その他の団体の総数を加えたものが十以上となるもの
 この法律において「報告様式」とは、調査票若しくは質問書又はこれらの様式をいう。

(統計報告の徴集についての承認)
第四条
 統計報告の徴集を行おうとする行政機関の長は、次の各号の一に該当する場合を除くほか、当該統計報告の徴集について、あらかじめ、総務庁長官の承認を受けなければならない。
 徴集方法及び報告様式が法律又は政令で定められている統計報告の徴集を行おうとする場合
 統計法(昭和二十二年法律第十八号)第三条に規定する指定統計調査としての統計報告の徴集を行おうとする場合
 前項の承認を受けようとする行政機関の長は、次に掲げる事項を記載した申請書を総務庁長官に提出しなければならない。
 当該行政機関の名称
 目的
 報告を求める事項及び当該事項ごとの専ら統計を作成するために用いられるか否かの別
 報告を求める者の範囲
 報告を求める期日又は期間
 徴集方法
 徴集を行う期間
 その他総務庁長官が必要と認める事項
 申請書には、報告様式及びその他の参考書類を添附しなければならない。

(承認の基準)
第五条
 総務庁長官は、前条の申請書を受理したときは、次の基準によつてこれを審査しなければならない。
 当該統計報告の徴集が統計技術的に見て合理的であること。
 当該統計報告の徴集と既に総務庁長官が承認した統計報告の徴集との間に調整の必要がないこと。
 総務庁長官は、前項の規定による審査の結果、申請に係る統計報告の徴集が同項各号の基準に適合していると認めたときは、速やかに、当該統計報告の徴集について期間を定めて承認しなければならない。

(承認又は不承認の通知)
第六条
 総務庁長官は、統計報告の徴集について承認した場合には、前条第二項に規定する期間(以下「承認期間」という。)及び承認番号を文書で当該行政機関の長に通知しなければならない。
 総務庁長官は、統計報告の徴集について承認しなかつた場合には、理由を付した文書でその旨を当該行政機関の長に通知しなければならない。
 総務庁長官は、第四条第一項各号に規定する統計報告の徴集を行おうとする行政機関の長が希望するときは、その求めに応じて、当該統計報告に承認番号を与えることができる。

(承認期間及び承認番号の明示)
第七条
 統計報告の徴集について承認を受けた行政機関の長は、当該報告様式にその承認期間及び承認番号を明示しなければならない。

(統計報告の徴集の中止又は変更)
第八条
 前条の行政機関の長は、当該統計報告の徴集を中止しようとする場合には、その旨を総務庁長官に届け出なければならない。
 前条の行政機関の長は、当該統計報告の徴集について変更しようとする場合には、変更しようとする統計報告の徴集について、新たに総務庁長官の承認を受けなければならない。

(承認の変更)
第九条
 総務庁長官は、既に承認した統計報告の徴集が第五条第一項各号に規定する承認の基準に適合しなくなつたと認めたときは、当該行政機関の長に対し、当該統計報告の徴集について変更を求めることができる。
 総務庁長官は、前項の行政機関の長が同項の求めに応じないときは、当該統計報告の徴集についての承認期間を短縮することができる。
 総務庁長官は、前項の規定により承認期間を短縮した場合には、理由を付した文書でその旨を当該行政機関の長に通知しなければならない。

(統計報告の徴集の中止又は変更の要求)
第十条
 総務庁長官は、この法律又はこの法律に基づく命令の規定に違反する統計報告が徴集されていると認めたときは、当該行政機関の長に対し、当該統計報告の徴集の中止又は変更を求めることができる。
 総務庁長官は、前項の行政機関の長が同項の求めに応じないときは、内閣総理大臣に対し、当該統計報告の徴集の中止又は変更について必要な措置を求めることができる。

(異議の申出)
第十一条
 行政機関の長は、第六条第二項の規定による通知又は第九条第三項の規定による通知を受けた場合において、その処分により当該行政機関の政策の実施が著しい支障を受けると認めるときは、内閣総理大臣に対し、異議を申し出ることができる。
 前項の異議の申出は、同項の通知を受けた日から三十日以内に、不服の事由を記載した申出書を内閣総理大臣に提出してしなければならない。
 内閣総理大臣は、前項の申出書を受理したときは、異議の申出に理由があるかどうかを裁決しなければならない。
 内閣総理大臣は、前項の裁決の結果、異議の申出が理由があると裁決したときは、総務庁長官に対し、適当な処置をすることを命じなければならない。

(適用除外)
第十二条
 この法律の規定は、政令で定める行政機関が政令で定める事務に関して行う統計報告の徴集については、適用しない。

(総務庁長官が行う統計報告の徴集)
第十二条の二
 総務庁長官が行う統計報告の徴集については、第九条第二項及び第三項第十条第二項並びに第十一条の規定は、適用しない。
 前項に定めるもののほか、総務庁長官が行う統計報告の徴集に対するこの法律の適用に関しては、次の各号に定めるところによる。
 第六条第二項中「理由を付した文書」とあるのは、「文書」とする。
 第九条第一項中「当該行政機関の長に対し、当該統計報告の徴集について変更を求めることができる」とあるのは、「当該統計報告の徴集について所要の変更を行うものとする」とする。
 第十条第一項中「当該行政機関の長に対し、当該統計報告の徴集の中止又は変更を求めることができる」とあるのは、「当該統計報告の徴集を中止し、又は変更するものとする」とする。

(報告調整官)
第十三条
 この法律の実施に関し、総務庁と緊密な連絡を図るため、各行政機関の部内に、報告調整官を置くことができる。
 前項の報告調整官は、当該行政機関の長がこれを命ずる。

(権限の委任)
第十四条
 総務庁長官は、政令で定めるところにより、第五条第六条第九条及び第十条に定める権限について、統計法第十八条の二に規定する者に委任することができる。

(施行命令)
第十五条
 この法律の実施のための手続その他その執行に関し必要な事項は、政令で定める。


入力者:河原一敏