統計法
昭和22(1947)年3月26日 法律第18号
昭和22(1947)年5月1日 施行
改正 昭24法132,昭25法139,昭27法92,昭27法184,昭27法260,
昭27法268,昭28法16,昭29法65,昭33法105,昭36法145,
昭43法99,昭57法69,昭58法80,昭60法90,昭63法96,
平3法23
- (法の目的)
- 第一条
- この法律は、統計の真実性を確保し、統計調査の重複を除き、統計の体系を整備し、及び統計制度の改善発達を図ることを目的とする。
- (指定統計)
- 第二条
- この法律において指定統計とは、政府若しくは地方公共団体が作成する統計又はその他のものに委託して作成する統計であつて総務庁長官が指定し、その旨を公示した統計をいう。
- (指定統計調査)
- 第三条
- 1
- 指定統計を作成するための調査(以下指定統計調査という。)は、この法律によつてこれを行うものとし、他の法律の規定を適用しないものとする。
- 2
- この法律に定めるものの外、指定統計調査について必要な事項は、命令(地方公共団体の長又は教育委員会の定める規則を含む。)でこれを定める。
- 3
- 主務大臣が前項の規定による命令を制定し、改正し、又は廃止しようとするときは、あらかじめ、総務庁長官に協議しなければならない。地方公共団体の長又は教育委員会が前項の規則を制定し、改正し、又は廃止しようとするときも、同様とする。
- (国勢調査)
- 第四条
- 1
- 政府が本邦に居住している者として政令で定める者について行う人口に関する全数調査で、当該調査に係る統計につき総務庁長官が指定し、その旨を公示したものは、これを国勢調査という。
- 2
- 国勢調査は、これを十年ごとに行わなければならない。但し、国勢調査を行つた年から五年目に当る年には、簡易な方法により国勢調査を行うものとする。
- 3
- 総務庁長官は、必要があると認めたときは、前項の期間の中間において、臨時の国勢調査を行うことができる。
- (申告義務)
- 第五条
- 1
- 政府、地方公共団体の長又は教育委員会は、指定統計調査のため、人又は法人に対して申告を命ずることができる。
- 2
- 前項の規定により申告を命ぜられた者が、営業に関して成年者と同一の能力を有しない未成年者若しくは禁治産者である場合又は法人である場合には、その法定代理人又は理事その他法令の規定により法人を代表する者が、本人に代つて、又は本人を代表して申告をする義務を負う。
- 第六条
- 削除
- (指定統計調査の承認及び実施)
- 第七条
- 1
- 指定統計調査を行おうとする場合には、調査実施者は、その調査に関し、次に掲げる事項について、あらかじめ総務庁長官の承認を得なければならない。ただし、第十六条ただし書の規定による場合において、第三号の事項については、この限りでない。
- 一
- 目的、事項、範囲、期日及び方法
- 二
- 集計事項及び集計方法
- 三
- 結果の公表の方法及び期日
- 四
- 関係書類の保存期間及び保存責任者
- 五
- 経費の概算その他総務庁長官が必要と認める事項
- 2
- 前項の承認を得た後、調査を中止し、又は承認を得た事項を変更するには、更に総務庁長官の承認を得なければならない。
- 3
- 総務庁長官は、必要があると認めたときは、関係各行政機関若しくは地方公共団体の長又は教育委員会に対し、指定統計調査の実施、変更又は中止を求めることができる。
- (指定統計調査以外の統計調査)
- 第八条
- 1
- 指定統計調査以外の統計調査を行う場合には、調査実施者は、その調査に関し、前条第一項第一号に掲げる事項を総務庁長官に届け出なければならない。ただし、統計報告調整法(昭和二十七年法律第百四十八号)の規定により総務庁長官の承認を受けた場合は、この限りでない。
- 2
- 前項の規定により届け出るべき統計調査の範囲その他の事項については、命令でこれを定める。
- 3
- 総務庁長官は、必要と認めたときは、関係各行政機関若しくは地方公共団体の長又は教育委員会に対し、指定統計調査以外の統計調査の変更又は中止を求めることができる。
- (指定統計調査の事務の監査)
- 第九条
- 総務庁長官は、必要と認めたときは、関係各行政機関の長又はその他のものの行う指定統計調査の実施の状況を監査し、改善の必要があると認めたときは、意見を内閣総理大臣に上申し、又はこれらのものに対して、その改善につき勧告することができる。
- (統計官及び統計主事)
- 第十条
- 1
- 総理府及び各省の部内に統計官を置くことができる。
- 2
- 都道府県及び市町村(特別区を含む。)に、統計主事を置くことができる。
- 3
- 統計官又は統計主事は、上官又は上司の命を受けて、指定統計調査その他の統計調査に関する専門的技術的事務に従事する。
- 4
- 統計官は、総理府事務官、各省事務官、総理府技官若しくは各省技官又はこれらに相当する政令で定める職員(以下この項において「国家公務員」という。)で、次の各号の一に掲げる資格を有するもののうちから、第一項に定める行政機関の長(外局の長を含む。)が命じ、統計主事は、地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第百七十二条第一項に規定する吏員又は地方教育行政の組織及び運営に関する法律(昭和三十一年法律第百六十二号)第十九条に規定する事務職員若しくは技術職員(以下この項において「地方公務員」という。)で、次の各号の一に掲げる資格を有するもののうちから、地方公共団体の長又は教育委員会が命ずる。
- 一
- 統計調査に関する事務に国家公務員又は地方公務員として通算して二年以上従事したこと。
- 二
- 学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)又は旧大学令(大正七年勅令第三百八十八号)による大学の学部で統計学を履修し、又は数学を専修する学科を修め、学士の学位又は旧大学令による学士の称号を有すること。
- 三
- 学校教育法による高等専門学校、旧専門学校令(明治三十六年勅令第六十一号)による専門学校又は文部大臣がこれらと同等以上と認定した学校で統計学を履修し、又は数学を専修する学科を修め、卒業したこと。
- 四
- 総務庁長官が指定した統計職員養成機関若しくは統計講習会の課程を修了したこと又は別に定める統計に関する国家試験に合格したこと。
- 五
- 前各号に掲げる資格のほか、総務庁長官が統計調査に従事するに適当な資格を有すると認定したこと。
- (総務庁長官が行う統計調査)
- 第十一条
- 1
- 総務庁長官が行う統計調査については、第七条第三項及び第八条第三項の規定は、適用しない。
- 2
- 前項に定めるもののほか、総務庁長官が行う統計調査に対するこの法律の適用に関しては、第九条中「関係各行政機関の長又はその他のものの行う指定統計調査」とあるのは「指定統計調査」と、「意見を内閣総理大臣に上申し、又はこれらのものに対して、その改善につき勧告することができる」とあるのは「その改善を図るものとする」とする。
- (統計調査員)
- 第十二条
- 1
- 政府、地方公共団体の長又は教育委員会は、その行う指定統計調査のために必要があるときは、統計調査員を置くことができる。
- 2
- 統計調査員に関する事項は、命令(地方公共団体の長又は教育委員会の定める規則を含む。)でこれを定める。
- (実地調査)
- 第十三条
- 統計官、統計主事その他指定統計調査に関する事務に従事する者及び統計調査員は、指定統計調査のため、必要な場所に立ち入り、あらかじめ総務庁長官の承認を得た事項について、検査をなし、調査資料の提供を求め、又は関係者に対し質問をすることができる。この場合には、その職務を示す証票を示さなければならない。
- (秘密の保護)
- 第十四条
- 指定統計調査、第八条第一項の規定により総務庁長官に届け出られた統計調査(以下「届出統計調査」という。)及び統計報告調整法の規定により総務庁長官の承認を受けた統計報告の徴集(以下「報告徴集」という。)の結果知られた人、法人又はその他の団体の秘密に属する事項については、その秘密は、保護されなければならない。
- 第十五条
- 1
- 何人も、指定統計を作成するために集められた調査票を、統計上の目的以外に使用してはならない。
- 2
- 前項の規定は、総務庁長官の承認を得て使用の目的を公示したものについては、これを適用しない。
- 第十五条の二
- 1
- 何人も、届出統計調査(地方公共団体が行うものを除く。次条において同じ。)によつて集められた調査票及び報告徴集によつて得られた統計報告(統計報告調整法第四条第二項に規定する申請書に記載された専ら統計を作成するために用いられる事項に係る部分に限る。)を、統計上の目的以外に使用してはならない。
- 2
- 前項の規定は、届出統計調査又は報告徴集の実施者が、被調査者又は報告を求められた者を識別することができない方法で調査票又は統計報告を使用し、又は使用させることを妨げるものではない。
- (調査票等の管理)
- 第十五条の三
- 指定統計調査、届出統計調査及び報告徴集の実施者は、統計調査によつて集められた調査票、報告徴集によつて得られた統計報告その他の関係書類を適正に管理するために必要な措置を講じなければならない。
- (地方公共団体の責務)
- 第十五条の四
- 地方公共団体は、届出統計調査によつて集められた調査票その他の関係書類の適正な使用及び管理に努めなければならない。
- (結果の公表)
- 第十六条
- 指定統計調査の結果は、速やかにこれを公表しなければならない。ただし、総務庁長官の承認を得た場合には、これを公表しないことができる。
- (資料等の提出及び説明の要求)
- 第十六条の二
- 総務庁長官は、この法律の実施に関し必要があると認めるときは、各行政機関の長又はその他のものに対し、資料及び報告の提出並びに説明を求めることができる。
- (指定統計調査の実施に対する協力)
- 第十七条
- 指定統計調査の実施者が、その指定統計調査を行うに際して必要があると認めるときは、関係各行政機関の長又はその他のものに対し、調査、報告その他の協力を求めることができる。
- (指定統計調査に関する事務の委任)
- 第十八条
- 政府は、政令の定めるところにより、指定統計調査に関する事務の一部を地方公共団体の長又は教育委員会に委任することができる。
- (権限の委任)
- 第十八条の二
- 総務庁長官は、政令で定めるところにより、第二条及び第七条に定める権限を総務庁において統計に関する事務を所掌する職にある者で政令で定めるものに委任することができる。
- (罰則)
- 第十九条
- 次の各号の一に該当する者は、これを六箇月以下の懲役若しくは禁錮又は十万円以下の罰金に処する。
- 一
- 第五条の規定により申告を命ぜられた場合申告をせず、又は虚偽の申告をした者
- 二
- 第五条の規定により申告を命ぜられた調査につき申告を妨げた者
- 三
- 第十三条の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避し、調査資料を提供せず、若しくは虚偽の調査資料を提供し、又は質問に対し虚偽の陳述をした者
- 四
- 指定統計調査の事務に従事する者又はその他の者で指定統計調査の結果をして真実に反するものたらしめる行為をした者
- 第十九条の二
- 1
- 統計官、統計主事その他指定統計調査に関する事務に従事する者、統計調査員又はこれらの職に在つた者が、その職務執行に関して知り得た人、法人又はその他の団体の秘密に属する事項を、他に漏らし、又は窃用したときは、これを一年以下の懲役又は十万円以下の罰金に処する。
- 2
- 前項に掲げる者が、総務庁長官の承認を得た場合のほか集計された結果を、第七条の規定により定められた公表期日以前に、他に漏らし、又は窃用したときは、これを十万円以下の罰金に処する。
- 3
- 職務上前二項の事項を知り得た第一項に掲げる者以外の公務員又は公務員であつた者が、同項の行為をしたときもまた同項の例による。
附則(抄)
- 第二十条
- この法律の施行の期日は、勅令でこれを定める。(昭和22年5月1日施行−昭和22年勅令163)
- 第二十一条
- 資源調査法、明治三十五年法律第四十九号(国勢調査ニ関スル件)及び大正十一年法律第五十二号(統計資料実地調査ニ関スル件)は、これを廃止する。
附則(昭和29年4月7日 法律65)
- 1
- この法律は、公布の日から施行する。
- 2
- 改正後の統計法第四条第二項但書の規定による最初の国勢調査は、昭和三十年に行なうものとする。
附属法令
- 統計法施行令
- 昭和24年5月31日 政令130
- 昭和24年6月1日 施行
- 統計調査に用いる産業分類並びに疾病、傷害及び死因分類を定める政令
- 昭和26年4月30日 政令127
- 昭和26年5月1日 施行
- 人口動態調査令
- 昭和21年9月30日 勅令447
- 昭和21年10月1日 施行
- 統計報告調整法
- 昭和27年5月24日 法律184
- 昭和27年8月21日 施行
- 国勢調査令
- 昭和55年4月15日 政令98
- 昭和55年4月15日 施行
- 国勢調査施行規則
- 昭和55年4月15日 総理府令21
- 昭和55年4月15日 施行
- 国勢調査の調査区の基準等に関する総理府令
- 昭和59年4月27日 総理府令24
- 昭和59年4月27日 施行
入力者:河原一敏