歴史ことば

ことば 『作品名』
解説 (引用先)

古事記『高千穂伝説殺人事件』
現存する日本最古の歴史書。三巻。稗田阿礼(ヒエダノアレ)が天武天皇の勅で誦習した帝紀および先代の旧辞を、太安万侶(オオノヤスマロ)が元明天皇の勅により撰録して七一二年(和銅五)献上。上巻は天地開闢から鵜葺草葺不合命(ウガヤフキアエズノミコト)まで、中巻は神武天皇から応神天皇まで、下巻は仁徳天皇から推古天皇までの記事を収め、神話・伝説と多数の歌謡とを含みながら、天皇を中心とする日本の統一の由来を物語っている。ふることぶみ。(「広辞苑」)
漢字の音訓を用いて日本語を文章表現。(「日本史用語集」山川出版)

天孫降臨『高千穂伝説殺人事件』
記紀の神話で、瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)が天照大神(あまてれらすおおきみ)の命を受けて高天原から日向国の高千穂に天降ったこと。(「広辞苑」)
関連・高千穂峰、高千穂夜神楽、天の岩戸など

高天原『高千穂伝説殺人事件』
1・日本神話で、天つ神がいたという天上の国。天照大神が支配。「根の国」や「葦原の中つ国」に対していう。たかまがはら。祝詞、祈年祭「―に神留(カムヅマ)ります」 2・大空。風雅賀「曇りなく―に出でし月八百万代(ヤオヨロズヨ)の鏡なりけり」(「広辞苑」)

坂田三吉 『王将の謝肉祭』
将棋棋士。大阪生れ。大正末年関西名人を僭称。没後、名人位・王将位を追贈。その名は戯曲「王将」で知られる。(1870〜1946) (「広辞苑」)

高村光太郎 『「首の女」殺人事件』
詩人・彫刻家。光雲の子。東京生れ。東京美術学校卒後、米・仏国に留学してロダンに傾倒。帰国後、「スバル」同人、耽美的な詩風から理想主義に転じ、「道程」で生命感と倫理的意志のあふれた格調の高い口語自由詩を完成。ほかに「智恵子抄」「典型」「ロダンの言葉」など。(1883〜1956) (「広辞苑」)

角兵衛獅子 『漂白の楽人』
越後獅子(エチゴジシ)の別称。角兵衛は獅子頭の名工の名とも、獅子舞いの親方の名ともいう。 (「広辞苑」)

紙漉き 『美濃路殺人事件』
和紙 ( わが国特有の紙。古来の手漉(ス)きによるものと、機械漉きによるものとの二種がある。前者は、コウゾ・ミツマタ・ガンピなどの靱皮(ジンピ)繊維を原料とするもので、半紙・美濃紙・奉書・鳥の子などの種類があり、後者は、故紙・木材パルプ・ぼろ・マニラ麻やミツマタの繊維などを原料とするもので、ちり紙・京花紙・障子紙・書道用紙・仙花紙などの種類がある。わがみ。_洋紙 ) をすくこと。また、それを業とする人。 (「広辞苑」)

桜田門 『十三の墓標』
江戸城内郭門の一。城の南西内濠(ウチボリ)内に位し、霞ヶ関の北東に当る。旧称小田原門。外桜田門。 (「広辞苑」)

小林一茶 『北国街道殺人事件』
江戸後期の俳人。名は弥太郎、信之とも称。別号、俳諧寺。信濃柏原の人。一五歳で江戸へ出、俳諧を二六(ニロク)庵竹阿に学んだ。俗語・方言を使いこなし、不幸な経歴からにじみ出た主観的・個性的な句で著名。晩年は郷里で逆境のうちに没。作「おらが春」「父の終焉日記」「七番日記」「我春集」など。(1763〜1827) (「広辞苑」)

良寛 『北国街道殺人事件』
江戸後期の禅僧・歌人。号は大愚。越後の人。諸国を行脚の後、帰郷して国上山(クガミヤマ)の五合庵などに住し、村童を友とする脱俗生活を送る。書・漢詩・和歌にすぐれた。弟子貞心尼編の歌集「蓮(ハチス)の露」などがある。(1758〜1831) (「広辞苑」)

菊人形 『竹人形殺人事件』
菊の花や葉で飾りつけた人形の見世物。多く歌舞伎狂言に取材。明治時代には東京団子坂・国技館(両国)のが有名であった。菊細工。_季・秋_ (「広辞苑」)

有田焼 『佐用姫伝説殺人事件』
佐賀県の有田を中心とする一帯から産する磁器。一五九八年(慶長三)朝鮮から渡来した李参平の製作に始まる。伊万里(イマリ)港から積み出したので、伊万里焼ともいう。 (「広辞苑」)

イタコ 『恐山殺人事件』
東北地方で、口寄(クチヨセ)をする巫女(ミコ)をいう。 (「広辞苑」)

北原白秋 『日光殺人事件』
詩人・歌人。名は隆吉。福岡県柳川生れ。早大中退。与謝野寛夫妻の門に出入、「明星」「スバル」に作品を載せ、のち短歌雑誌「多磨」を主宰。象徴的あるいは印象的手法で、新鮮な感覚情緒をのべ、また多くの童謡を作った。詩集「邪宗門」「思ひ出」、歌集「桐の花」、童謡集「トンボの眼玉」など。(1885〜1942) (「広辞苑」)

能楽   『天河伝説殺人事件』
日本芸能の一。能と狂言との総称。狭義には能のみを指す。平安時代以来の猿楽から鎌倉時代に歌舞劇が生れ、能と呼ばれた。それに対して猿楽本来の笑いを主とする演技は科白劇の形を整えて、狂言と呼ばれた。両者は同じ猿楽の演目として併演されてきたが、明治になって猿楽の名称が好まれなくなり、能楽の名と置きかえられた。現在、観世(カンゼ)・宝生(ホウシヨウ)・金春(コンパル)・金剛(コンゴウ)・喜多(キタ)のシテ方五流のほか、ワキ方三流(宝生・福王・高安)、狂言方二流(大蔵・和泉)、囃子方一四流がある。 (広辞苑)

末摘花 『隠岐伝説殺人事件』
源氏物語の巻名。また、この巻の女主人公の名。常陸宮の女(ムスメ)。滑稽なまでに時代離れのした、大きな赤鼻の醜女。
(げんじものがたり【源氏物語】 平安中期の長編物語。紫式部の作。宮廷生活を中心として平安前・中期の世相を描写し、全編を桐壺・帚木(ハハキギ)・空蝉(ウツセミ)・夕顔・若紫・末摘花・紅葉賀・花宴・葵・賢木(サカキ)・花散里・須磨・明石・澪標(ミオツクシ)・蓬生(ヨモギウ)・関屋・絵合・松風・薄雲・槿(アサガオ)・少女・玉鬘(タマカズラ)・初音・胡蝶・蛍・常夏(トコナツ)・篝火・野分・行幸(ミユキ)・藤袴・真木柱・梅ヶ枝・藤裏葉・若菜(上下)・柏木・横笛・鈴虫・夕霧・御法・幻・雲隠・匂宮・紅梅・竹河・橋姫・椎本(シイガモト)・総角(アゲマキ)・早蕨・宿木・東屋・浮舟・蜻蛉(カゲロウ)・手習・夢浮橋の五十四帖に分つ。幻まで前編とし、主人公光源氏を中心に藤壺・紫の上など幾多の才媛を配して、その華やかな生涯を描く。雲隠は、光源氏死去の意を寓し、巻名だけで文なく、匂宮・紅梅・竹河の三帖は後編への連鎖をなす。後編の橋姫以下の十帖は、光源氏のあとを受けつぐ薫・匂宮に宇治の八の宮の姫君たちを配して、複雑な人間関係を写したもので、特に宇治十帖と称する。構想上は、前編を藤裏葉までと若菜以下とに二分し、全編を三部に分けて見ることが多い。アーサー=ウェーリーの英訳その他外国語訳もある。 )
(げんじものがたり‐えまき【源氏物語絵巻】‥_‥ 源氏物語の各帖から物語の要点となる情景や情緒豊かな場面をぬき出して絵画化し、対応する本文の一節を書き添えた絵巻。平安以後各時代を通じ各種の制作が行われ、現存遺品の種類も多い。中でも一二世紀前半に宮廷絵師により分担制作されたと見られる彩色絵巻(徳川美術館・五島美術館分蔵)は特に名高く、かつては藤原隆能作と伝えられ、隆能源氏と通称。 ) (「広辞苑」)