#藪の中 #芥川龍之介【日本の名作文学】

検非違使に問われたる木樵りの物語

 

さようでございます。あの死骸を見つけたのは、わたしに違いございません。わたしは今朝いつもの通り、裏山の杉を伐りに参りました。すると山陰の藪の中に、あの死骸があったのでございます。あった処でございますか? それは山科の駅路からは、四五町ほど隔たって居りましょう。竹の中に痩せ杉の交った、人気のない所でございます。

 

(略)

その時誰か忍び足に、おれの側へ来たものがある。おれはそちらを見ようとした。が、おれのまわりには、いつか薄闇が立ちこめている。誰か、――その誰かは見えない手に、そっと胸の小刀を抜いた。同時におれの口の中には、もう一度血潮が溢れて来る。おれはそれぎり永久に、中有の闇へ沈んでしまった。………

全部読む ) 青空文庫

作者説明 ) ウィキペディア

作品説明 ) ウィキペディア


新刊新書 漢字読みテスト 漢字書きテスト 名作文学 時事用語 歴史人名 現代社会 算数 道路標識

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です